今月初めから西バルカン地方に来ている。
3月のセルビアに続き再びだ。
ボスニア・ヘルツェゴビナを経て、今は北マケドニアのスコピエにいる。

もちろんコンサル仕事の出張で、今回は一か月強で4か国(5地域)を回る予定なのだが、移動も多くなかなかゆっくり文章化する余裕がない。

初めて旅する国は5月の陽気と初夏の雨で緑鮮やかにまぶしく、地域によって少しずつ違う空気が印象的だ。

仕事とはいえ、観るものすべてが自分の中で刻まれ、輝くような貴重な時間として積み重なっていくよな感覚がしている。だからこそ、少しずつでも言葉として書き留めたいのだ。
たとえ、言葉とは断片的だったのだとしても、動いた気持ちのスケッチとして。

ーー

最初に降り立ったのは、ボスニア・ヘルツェゴビナ。

いつも新しい国に到着すると、その国のにおいをかいでクンクンしてしまうのだが(そんなひといる?)、サラエボの空港で飛行機のタラップを降りて初めてこの国の大地に足った途端、何だかいい感じのにおいがした。
住宅街の真ん中にある空港は何だか温かい感じがして、いい国だなと直感した。

この国で出会ったひとびとは、本当に親切だ。

アシスタントさんとドライバーさんに迎えられ、そのまま車で南下して古の都市モスタルへ向かった。



初めて訪れるボスニア・ヘルツェゴビナ。
この緑の鮮やかさ、そしてエメラルドグリーンの川や湖の美しさといったら。
車の中から眺めて、自分の体の中から緑になるんじゃないかってくらいの圧倒的な美しさが迫ってくる。

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サラエボは標高も高く少し寒いのだが、南下するほど気候が変化していくのが感じられる。

↓途中でいただいた羊の丸焼き。この辺りではよく食べるのだそう。

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この風景を眺めながらいただくお食事のおいしさ。
古い橋も架かっている。


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途中立ち寄った小さな町にて。美しすぎてもう。

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モスタルは古くオスマントルコ時代の面影を残す美しい街。
現在は、ボスニア・ヘルツェゴビナを構成するエンティティのボスニア連邦に属する都市である。

昔から、一度はこの街を訪れてみたいと思い描いていたところだ。

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街は古く14世紀にはボスニア公国、その後15世紀以降はオスマン帝国が支配した。

有名なスタリ・モストと呼ばれる橋は、もともと古く16世紀に作られたものだ。
だが、現在かかっているものは2004年再建されたものである。

もちろん、歴史ある橋は戦争で破壊されてしまったからだ。

ボスニア系、クロアチア系、トルコ系と入り乱れるこの地域の民族関係はもともと古くから不安定なのだが、1990年代ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でモスタルは街の多くの部分を壊滅的に破壊されてしまうこととなった。

現在の街は、古い建物の景観を守りながら新しく建て替えられたり建て増ししたりという跡が見える。

壊滅的に破壊されたときの航空写真が飾ってあったのだが、それはもう悲惨な状態だった。
こんなに美しく歴史ある場所をどうして人々の争いで破壊し、命を奪ってしまうのか。

戦争の傷跡を目の当たりにする。

いまでも、銃弾の跡や崩壊して再建されていない建物も散見される。

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今では新しく架け替えられた大きな橋スタリ・モストもユネスコの世界遺産に登録され、この地は観光客でにぎわっている。

ちなみに、スタリ・モストからは真ん中から川に飛び込むというパフォーマンスが日々行われているようだ。怖すぎて見られないので、海パン姿で手すりのところに立つ男性のもとを足早に立ち去った。

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現地でのお食事。
典型的なお料理だそう。

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こちらは、ヘルツェゴビナのお菓子Smokvara
あちらで採れるイチジクをシロップにしてひたひたに甘くしたものだ。

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この街には二日ほどしか滞在しなかったのだが、街の中を歩いたり歴史を感じたり、現地のアシスタントさんと歴史や文化、音楽についてたくさんおしゃべりしたりして、良い時間を過ごした。

仕事で、英語が通じずボスニア語への通訳を介さなくてはならないのは少し手間だけれど、やはり現地に来て人と会うというのは何よりも大切だなと思う。

この土地の空気、街の様子、国のことなどを感じながら、初めてわかることもたくさんある。

これもまた、このコンサル仕事の面白さのひとつなのかもしれない。

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美しいモスタルを後にし、今度はボスニア・ヘルツェゴビナを構成するエンティティのもうひとつ、スルプスカ共和国に向かう。

(次回…)



南アフリカの作家ベッシー・ヘッド(1937-1986)の紹介をライフワークとしています。
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