ドラマティックな展開と映画のようなスリリングなストーリーに引き込まれていった。
とくに、最終章あたりでは、急速な展開に映像が浮かぶようだった。
高野秀行氏のご著書はたくさんあるようだが、ちゃんと読んだことはなかったような気がする。
ちょっとお調子者っぽくて、有名になりたいという欲望を隠しもせずに、がんがんと自分の無茶っぷりを披露する筆者の態度に、んーあんまりお友だちになれないかも、とは思いつつも(笑)、この本はほんとうにおもしろかったし、筆者の潔さもとても好感が持てた。
とくに、どたばたと格好悪くなりながらも、なかなか懐に飛び込めない「つんけん」している美女みたいな「ソマリア」に片思いアタックしていく試行錯誤ストーリーを通じて、社会文化的背景や政治的背景をとても興味深く描き出している。
ソマリアといっても、ソマリランドは暫定政権もあってわりと平和と秩序が保たれているけれど、それとは対照的な南部モガディシオあたりの危険さについてが後半の大きな部分を占めている。
そして、登場人物がほんとうに魅力的でいとおしくなる。
とくに、この若きソマリ美女でジャーナリストのハムディさんの魅力にはノックアウト。

ソマリアに近づきたくてもなかなか近づけない「片思い」が大きなテーマになっているが、この感覚はアフリカ全般においてもなんだかわかるような気がする。
もちろん、アフリカの国というよりエスニックグループや土地土地の文化によってもまったくその度合いや感触は違うのだけれど、なかなか「外国人」である自分がほんとうに近づくことは難しい。
外国人とみれば、当然「お金!」としか思っていないケースが本当に多い。
それでも、農村に行くと温かく迎えてもらえたりする。
ホスピタリティの文化は、多くの国でとても豊かなのだと思う。
Rupurara Moonをやっていても、なかなかアフリカのひとたちとほんとうにお友だちになるのは難しい。
わたしはかなり、アフリカ向け(?)ですぐ仲良くなる方だけれど、やっぱり外国人として心の壁は感じる。
その話はまた機会があれば書くとして。
この本で、心に留まったフレーズをいくつか引用:
かなりエキサイティングで夢中にさせる本だった。
わたしもエネルギーをいただいた。
書きたいことがたくさんあるので、わたしも本を出版したいとつくづく思った。
アンテナを張っておきましょう☆という気持ちになりました。
こうやってまとまった原稿にできたら、かなりマインドが整理されて意味があるような気がする。
(注:わたくしは戦場へは行きません)


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とくに、最終章あたりでは、急速な展開に映像が浮かぶようだった。
高野秀行氏のご著書はたくさんあるようだが、ちゃんと読んだことはなかったような気がする。
ちょっとお調子者っぽくて、有名になりたいという欲望を隠しもせずに、がんがんと自分の無茶っぷりを披露する筆者の態度に、んーあんまりお友だちになれないかも、とは思いつつも(笑)、この本はほんとうにおもしろかったし、筆者の潔さもとても好感が持てた。
とくに、どたばたと格好悪くなりながらも、なかなか懐に飛び込めない「つんけん」している美女みたいな「ソマリア」に片思いアタックしていく試行錯誤ストーリーを通じて、社会文化的背景や政治的背景をとても興味深く描き出している。
ソマリアといっても、ソマリランドは暫定政権もあってわりと平和と秩序が保たれているけれど、それとは対照的な南部モガディシオあたりの危険さについてが後半の大きな部分を占めている。
そして、登場人物がほんとうに魅力的でいとおしくなる。
とくに、この若きソマリ美女でジャーナリストのハムディさんの魅力にはノックアウト。

ソマリアに近づきたくてもなかなか近づけない「片思い」が大きなテーマになっているが、この感覚はアフリカ全般においてもなんだかわかるような気がする。
もちろん、アフリカの国というよりエスニックグループや土地土地の文化によってもまったくその度合いや感触は違うのだけれど、なかなか「外国人」である自分がほんとうに近づくことは難しい。
外国人とみれば、当然「お金!」としか思っていないケースが本当に多い。
それでも、農村に行くと温かく迎えてもらえたりする。
ホスピタリティの文化は、多くの国でとても豊かなのだと思う。
Rupurara Moonをやっていても、なかなかアフリカのひとたちとほんとうにお友だちになるのは難しい。
わたしはかなり、アフリカ向け(?)ですぐ仲良くなる方だけれど、やっぱり外国人として心の壁は感じる。
その話はまた機会があれば書くとして。
この本で、心に留まったフレーズをいくつか引用:
(注:南部ソマリアのモガディシオでのジャーナリストとの会食の席で、北部ソマリアのソマリランドの良さについて語る筆者)
「『ソマリランドでは銃を持った人間なんかいない』といったら、彼は目を丸くした。(中略)
そんなことも知らないのか。彼らはジャーナリストだ。ソマリランドのニュースも毎日見聞きしているというのに。
だが、よく考えればそれも無理からぬことかもしれない。およそニュースは悪いことしか伝えないからだ。だから日本人にはアフリカのことをこの世の地獄か災厄のデパートみたいに思っている人が少なくない。しかし、地獄の中心地とされるモガディショのソマリ人ですらその手の偏見にとらわれているのだ。マスメディア(あるいはジャーナリズム)には根本的な欠陥があると言うしかない。」
(注:危険を冒し想定外の農村の旅をすることになってしまった筆者の感想のひとつ)
「これではアル・シャバーブの支配にもさして文句はなさそうだなと思う。アル・シャバーブはアフガニスタンのタリバン同様、過激な生活規範を住民に押し付けている。音楽を聴いてはいけない、映画を観てはいけない、酒やタバコは絶対禁止、男はズボンのすそを短くしなければいけない…。(中略)
誰かに命令されることを何よりも嫌うソマリ人がなぜアル・シャバーブのいうことを聞いているのか。支持する人が多いのか。
それは田舎では別に「過激」でもなんでもないからだ。電気がないのだから、音楽や映画などあるわけがない。酒やタバコなどといった贅沢な商品など買える人はそうそういないだろう。ズボンの裾云々どころかズボンをはいている人がいない。男子は女子同様、みんな腰巻である。
(中略)だから、私は前からタリバンやアル・シャバーブのようなイスラムの厳格な過激派勢力を「マオイズム」ではないかと思っていた。農村主義である。(中略)マオイズムとは都市と田舎の格差を埋める経済的な闘争なのだ。(中略)
経済発展だけを追い求めて自然環境を破壊し、人口がむやみに増え、他の生物はどんどん死に絶えていく世界。物質への欲望が際限なく募り、やみくもな競争に明け暮れる世界。先進国の巨大資本が牛耳り、彼らの価値観がどこまでも押し付けられる世界。そんなゆがんだ世界よりも伝統にのっとり自然環境に合わせたここの人たちの暮らしの方がよほどまっとうではないのか、と。
(中略)ではアル・シャバーブを支持するのかと訊かれたらそれはノーと答えるしかない」
(注:将校を罵倒して怒らせたハムディさん)
「『彼、怒っちゃったね…』とハムディがポツリと言った。なにか意外そうでもある。
私は腰が抜けそうになった。この人たち、あれだけ暴言を吐いておいて悪気がないのか…。
(中略)
この人たちは単に思ったことを率直に口にしているだけで、悪気はないのだから。
同時に、ソマリ人に入れ込んでも、報われることはないのだろうなとしみじみ思った。
ソマリ人は誰にも助けを求めていない。一方的な同情や愛情を必要としてもいない。言ってみれば、彼らは野生のライオンみたいなものだ。野生のライオンを愛するのは勝手だが、ライオンからも愛情を返してもらおうというのは間違っている。彼らの土地で、彼らの素の姿を眺め、一緒に生活をする。
それだけで幸せと思わなければとても一緒にやっていくことはできないのだ」
かなりエキサイティングで夢中にさせる本だった。
わたしもエネルギーをいただいた。
書きたいことがたくさんあるので、わたしも本を出版したいとつくづく思った。
アンテナを張っておきましょう☆という気持ちになりました。
こうやってまとまった原稿にできたら、かなりマインドが整理されて意味があるような気がする。
(注:わたくしは戦場へは行きません)
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