このひとの文章から感じられる世界との距離感が完璧だ。
しっくりくる。

ときにとても深い。洞察力があり、「まとも」なひとだ。くだらないことでぶれないひとだ。それだけにとても心地が良い。潔い。

ついでに、カバーもすてき。タイトルもすてき。
二年をかけて旅したバックパッカーの女性の話ね。

余計なことをつらつらと書いて、珍しいモノを売りにする適当な旅行記とは明らかに一線を画している。
いずれの国の体験も、心に深い印象をのこす。


この本の書評で「声の小さいひとの声を拾う」というような書き方をしていたひとがいたけれど、それはわたしから見れば見当違いに思える。
このひとが拾っているのは、「普通のひと」の声だ。
あなたたちメディアがなかなかうまく拾ってくれない声のことだ。日常生活の声のことだ。土地の歴史と普通の暮らしだ。

これは、わたしがこのブログやメルマガや、ショップを通じて伝えたいことそのものだ。そして、アサヒコムの連載もそう。


ジンバブエでのシーンはとてもよくわかる。
前にも書いたけど、唯一危ない目にあったのは、ジンバブエだったそうだ。


いちばん涙がこぼれたのは、エチオピアのシーンだった。
静かで印象的で、すごく心に深く響いた。
何故だろう。
そこは、ドラマチックでも誰かが死ぬわけでもなんでもなかったけれど、この世界で生きていくためにとても重要なことを書いてくれているような、そんな気がして涙がぼろぼろとこぼれてしまった。


この地球の、色んな国の人たちとともに生きていくこと、アフリカとともにあること。
そういうことを考えさせられる。


とても良い、文章に出会った。
この本との出会いを感謝したい気持ちになった。


書ききれない。


4087814343インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日
集英社 2009-11-13

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