73235105.jpgなんというか。
哀しいかな。

Britons to return from Zimbabwe

BBCのこのニュース。

英国政府の「帰国スキーム」で、まずは60人くらいのひとたちがジンバブエから英国に「帰る」そうだ。このニュースに出ているひとは、ジンバブエ(旧植民地ローデシアということだろうね)に51年暮らしたそうだ。

経済の崩壊で、医療も教育も、何もかもがまともに機能していない。この前ジンバブエに帰ったときでもそう感じた。病気になったら、助からないかもしれない。病院は立派でも、中には医者も薬も機材も電気も足りていないから。

アサヒのコラムにも書いたことがあったけれど、わたしが暮らしていたところは、もともと旧ローデシア軍のリタイアメントホームだ。

白人のおじいちゃま、おばあちゃまばかりが暮らしているすてきなところだ。

よくパブで一緒にお酒を呑んだりした。


dandaro 012


ここには色んな人がいる。
この国で生まれ育ったひと、ローデシアという豊かで美しい国に理想を求めて1950年代に移住してきてパスポートまで切り替えてしまった南ア人。イギリス人、アイルランド人・・・。


ひさしぶりに帰ったら、仲良くしていたひとりのおじいさんは亡くなっていた。
すごくショックだった。
彼の語った、複雑な気持ちを思い出して。


仲良くしていた人たちのうち、二人のおじいさんに再会。

ちょうど、7月にこの英国政府のスキームに乗って、英国に「戻る」とのことだ。(厳密には、彼はアイルランド人なのだが、家族が英国に住んでいるということで許可が下りたらしい)

多くの人たちが、国を去った。
このひとは、政府の通貨切り下げで(25桁切り落とした)財産を亡くした。
農地の強制収用で、土地をなくしたひともいる。

彼は、糖尿病を患い足も悪い。二年ぶりに会って、少し年をとったようだ。
毎日何時間も停電や断水があるようなところでは、普通よりずっと体力精神力を消耗するに違いない。薬だって手に入らない。


もう会うことはないのかもしれないな。


英国に行って、良い医療サービスを受けて生活できることは良い。


でも、このうつくしい国は、彼らにとっての「うつくしい国」としての姿を見せることはないだろう。

なんというか、ほんとうに哀しい気持ちになってしまった。


こうやって、国をなくしていく人たちは、アフリカ人だけではないのだ。


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