26日に行われたジンバブエ上院選挙の投票率は、1980年の独立後最低の19.48%だった。
投票所を20カ所程度見て回ったが、いずれも閑散としている印象を受けた。これは、今回の選挙への人々の関心の低さを如実に表している。

与党ZANU-PFは憲法改正とともに上院の再設置を行うとして、急遽上院選挙を実施するに到った。野党MDCは、この選挙においてはボイコットを決定するが、党首チャンギライのボイコット宣言にもかかわらず、内部分裂した一部の候補者は立候補を表明。しかし、与党ZANU-PFが全10選挙区50名を登録したのに対し、野党MDCは7選挙区26名を登録。この時点で19名のZANU-PF議員が無投票で当選確定した。

結果がすでに見えている選挙に、人々の関心は薄かった。拙速な選挙実施に、有権者教育も満足に実施されず、対立政党も壊滅状態で行われた選挙であった。

物価高騰、外貨不足、ガソリン不足の折にもかかわらず、この選挙を実施するのに大きな経費がかかっている。批判されるべき点はたくさんあるが、とりあえずオーストラリア政府からは「遺憾の念」といった論調の声明が出されている。

ジンバブエ政府は今後どのようになっていくのか。刻一刻と状況が変わっている。