アフリカだけに限ったことではないだろうが、「持てる者が持たざる者へ」金銭的に支援をする、何かをあげるということが当然と思われている場面には、とても頻繁に遭遇する。歴然とした経済格差があるからというのが大前提にあるのだが、これは援助慣れという言葉では単純に
更新情報
「それを書いたのは私です」
アメリカの大学で教鞭をとる友人が、教えてくれた話がある。彼女の大学の同僚に起きた出来事だ。その方は、分野は忘れたがもちろん専門家でご実績がある女性だ。ある学会に参加されていたとき、初めて会った年配の男性が、その分野に関心があるならこの本を読むべきだとさん
翻訳出版への道 | 小説が本の文字となり生き始めた
初めてこの作品に触れたのは1997年ごろのこと。日本では未訳の作品だから英語の原文だった。この美しく深い本を日本語にするために訳し始めたのは正確にはいつだったのか思い出せないけれど、おそらく2000年ごろにはもう着手していたのではないかと思う。その日から、ここま
開発コンサルとしてやってきた校正と出版の校正校閲
ベッシー・ヘッドの長編小説の出版に向けて、気の遠くなりそうな長い年月を経てようやく制作に入っている。プロの校正者の方に手を入れてもらった校正原稿を絶賛確認中なのだが、自らの出版社の看板を掲げて商業出版をするのは初めてなわけで、とにかくクオリティを上げたい
アフリカ的サービス精神としての嘘
仕事でもプライベートの旅でも、ある程度の期間をアフリカに関わっているひとの多くは、アフリカにうんざりし、憤り苛立ったり、嫌な思いをした経験を持つだろう。そういえば、ずいぶん前だが、日本の某有名ガイドブックに「叩かれて打ちのめされて、また帰っていくアフリカ
【雨雲出版】ニュースレター始めました | メルマガと深い話について
雨雲出版のニュースレターを始めることにしました。明日、2月1日から配信開始です。月1〜2回程度のニュースレターでは、雨雲出版のお知らせ(新刊、イベント等)の他、ブログやnote、SNSに書かないようなベッシー・ヘッド作品翻訳出版の裏話や、本に関することなど、少し深い
山深い貴船神社の静けさとボツワナの神聖な丘
京都の貴船神社は、水の神様を祀り、古くから雨乞いの神事が行われてきた長い歴史を持つ神社だ。山深く、青緑の空気に静かにたたずむその美しさを捉えた写真を見て、いつか訪れてみたいと思っていた。神秘的で印象深いその写真は、自宅で利用しているウォーターサーバーの会
長く読まれる本は「わからなさのある本」なのかもしれない
一年ほど前、夏葉社の島田潤一郎氏がトークイベントで登壇されたとき、真っ先に質問した。「売れる本を作るのは大切ではありますが、それよりも『長く読まれる本』とはどんな本でしょうか」島田氏の答えのポイントは、「わからなさのある本」だった。それは島田氏の経験から
どうして出版したいんですか?を再び問う
雨雲出版を2023年の終わりに設立してから今まで、イベント出店を積極的に行っている。出店も回数を重ね、先週(2025年1月19日)の文学フリマ京都9で通算11回目となった。イベント出店では、何よりも人と直接お会いできて会話を交わす機会があるのがとても貴重で、これからも
無意識のブロック、長いあいだ届けたかった短編コレクション
実に感慨深い。とても個人的なことで恐縮だが。作家ベッシー・ヘッドの長編小説の翻訳出版を準備中だ。これは作家を知った90年代後半から望んでいたことだが、ずいぶん長い年月が過ぎた2023年に雨雲出版を立ち上げることになり、現在は実現に向けて手続きや作業を進めている