メッセージがあったのは週末だった。

現在わたしは、今月末の仕事の締め切りでスーパーピークの真っ只中で、週末も深夜もなく仕事して過ごしている。

時間的というよりも、頭をフル稼働させて捻り出さなくてはならないアイディアとロジックと永遠に続く調べものでマインドがパンク状態だ。

そんなとき、週末に届いたメッセージは、アフリカ某国の友人からだった。

もともとは調査のアシスタントをお願いした女性なのだが、とても気が利いて良い調査をしてくれるので、本当に助かっていて、機会がある度に仕事を依頼している。

3つばかり年上だが、いつもとても楽しくおしゃべりをしているお友だちでもある。



独立して一応ビジネスはしているのだが、いつも資金繰りに困っているのは知っていた。

でも彼女のことはもう6年くらいは知っているし、よくありがちなお金に対するルーズさもないひとだった。

このクリスマスで、クライアントからお金を払ってもらえなくて、なんと家賃や公共料金まで支払いが滞り、危機的な状況だ、子どもたちのクリスマスの食事も用意してあげられない、ついては250ドルを用立ててくれないだろうか。

そんなメッセージだった。

決して誤解しないで欲しいんだけど、しょっちゅう物やお金をせびるひとたちとは全く違い、彼女は一度だってそんなことは言ったことはなかったひとだ。

持てるものが持たざるもののためにお金を負担することが普通と思われている文化の中で、わたしにお昼をおごってくれるようなひとだ。

だからよっぽどなんだとわかった。

結論から言うと、わたしはこれをあげようと直感で思った。

お友だち同士のお金のやり取りがとても大嫌いで、アフリカでもそんなお金を渡したことはなかった自分が。素直にそう思った。

彼女のことを信用しているし、お友だちだと思うから。

ウェスタンユニオンではちょっと手間取り、時間がかかってしまったけど、その間彼女は何度も謝りお礼を言ってきた。

色々トラブルがあって、
お金は今日届いた。

泣き出さんばかりの感謝のメッセージがきた。

クリスマスイブだ。

3人の子どもがいるシングルマザー。

わたしは、このお金が本当に役に立てば嬉しいと思うとともに、彼女のこれからの生活を思うと複雑な気持ちになった。

色んな思いがあって、胸がいっぱいになった。

来月からはどうする?
ちゃんとクライアントはお金を払ってくれる?
子どもの学費は?

もちろん、直接お金を渡すのは一度きりにしたい。

でも、これでまったく間違ったことはしていないとも思っている。

わたしは相変わらず、クリスマスイブの今夜も深夜のオフィスだ。

でも、子どもたちは美味しい食事を食べられただろうか。

人生にはこんな巡り合わせも、ビタースウィートな出来事もたくさんある。


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