UAEに暮らすハムダなおこさんのエッセイ本。


ようこそアラブへ
ハムダ なおこ
国書刊行会
2016-12-16



読みながら、ほんとうに心が綺麗になっていくような
生き方を考えさせられるような本。

とても丁寧な文章の選び方で、
心に沁み入るエピソードや言葉たちがたくさんあって
出会えてよかったと心から思える良き本でした。



UAEの男性とご結婚され、
5人の子どもを育てたアラブの暮らし。

何年もかけて、その深い文化や価値観を理解していく。

目の前の出来事は、文化的に日本人には理解し難いことでも、
長い歴史の中で理由があって育まれた価値観に基づくもの。

そんなことを、彼女は丁寧に綴っています。



教師だって不正をはたらくし、
子どもが学校の成績で一番をとったのなら、
その親は隣近所にまで贈り物をする。

日本は、温暖な気候で生きやすいのだと思います。

だからこそ、平等さとか公正さみたいなものが
学校教育でも浸透している。

でも、生きていくのも過酷な状況だったりする地域には
(そうとは限らないとは思うけれど)
コミュニテイとしての存続を維持するための「平等」感がある。

持てる者が持たざる者に分け与えて当然であり、
家族やコミュニティへの敬愛や礼儀がとても大切な世界。



わたしは、アラブの国でいうと
エジプトやモロッコくらいしか行ったことがないけれど、
アフリカ諸国でも似たようなことがたくさんあるなと思いながら読みました。

どんなに理不尽だったとしても、
お金を持っているひとがお金を持っていないひとの分まで払うのは当たり前。

もともと恵まれているひとたちと「公正」な競争をすること自体が不平等。

だから、ずるをしてでも「恵まれていない」ひとたちを勝たせる。優遇する。

こういうシーンを、わたしも数え切れないほど見てきました。

もちろん、私自身もアフリカで「理不尽だ!」と嫌な気分にさせられることは多々ありました。
今だってあります。

でも、きっとそういうことではないんですね。
アフリカと付き合うこともまた、日本人的価値観にいつまでもこだわっていたら、
とてもタフなことです。



ムスリムは、死ぬときに天国に行くか地獄に落ちるかを
その一生の善行と悪行を総合して神により判断されるということ。



人間社会においてどこで不正に遭おうと、どれほどの不平等な環境に生まれ育とうと、その苦境の中でどのように現世を生きたかは神にすべて理解されるのです。
天使たちが忠実に記録した帳簿に照合して(中略)神にだけは正しく評価される、という平等感は、不完全な人間社会の不平等感を遥かに超越して、各人の心に平静を与えています。これがなければ、この苦しい不完全な世界を、時代を、生き抜くことはなかなか出来ないでしょう。



この考え方は、日本にはなかなかないなと思いました。

イスラムの教えは、不平等な世界を乗り越え
弱き者を徹底的に守るものなんだなと少しだけ知りました。

何度でも、読み返して心に染み込ませたい本です。


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ようこそアラブへ
ハムダ なおこ
国書刊行会
2016-12-16


↓↓いつもトランジットしかしていないドバイ。こんどはゆっくり街を見て人々に会ってみたくなりました。外国人ばかりなのでしょうね。

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