先週末、いつものコーヒー屋さんででマスターが話してくれたこと。

ウサギとカメの話。

音楽好きなマスターが読んでいたこの本(何故かジュニア文庫)にこんな話が書かれている。




1880年代に出版された「アンクル・リーマス物語」にあるアメリカのウサギとカメの話。

要約すると、ウサギとカメが競争するところまでは一緒。
でも、このウサギは競争の日に向けてトレーニングしたりして万全の準備を整えている。

一方カメは、なんと家族をフル活用。

まず、スタート地点には自分の妻を、それぞれ一マイルごとに草の中に自分の子どもたちを配置し、自分はゴール地点へ。

競争がスタートしてウサギが猛スピードで走ると、隠れていたカメが次々と現れる。
つまり競争をしていたカメ本人と勘違いさせるわけです。
追いつかれたと思ったウサギは焦るが、結局ゴール地点にはカメがすでにいて、先にゴールをしてしまう。

★★


The_Tortoise_and_the_Hare_-_Project_Gutenberg_etext_19994


さて。

この物語をどう思いましたか。

ウサギは正々堂々と戦ったわけです。
日本のお話みたいに、カメののろさを馬鹿にしてお昼寝をして油断したわけではない。



このお話のウサギは、白人を表しているという説もあります。

かけっこという意味ではウサギは「持てる者」なんですね。
カメは「持たざる者」

だからこそ亀は、知恵と家族の絆で戦ったわけです。



日本的な、わりと均一的な社会で育った自分としては、正々堂々とか努力とか、ずるをしないといったことがある意味美徳とされる価値観をどこかに持っています。
だからこそ、釈然としないものもある。



アフリカでも似たようなお話はたくさんあるようです。

これには、奴隷制や植民地制度の歴史も関係していると思います。

ウサギのように恵まれた者が正々堂々と戦うこと自体、もうすでにフェアじゃない。

そういう価値観なのですね。



アフリカに関わっていると、これと似たような場面がたくさんあるような気がします。

日本人的な「真面目さ」で仕事を頑張ったところで、しょせん、それは評価されるものではないわけです。多くの場合はね。

いかにして楽をして得をするか、という価値観もありますし、持っている者が持たざる者にあげるのは当たり前のことだというカルチャーもあります。

こういうのが、アフリカで未だにわたしも泣きをみるところ。




このウサギとカメは、まさにわたしのなかの日本人的なところと、アフリカが嫌いと思うところが良くあらわされたものだと思う。

わたしはよくアフリカ好きだと思われがちだけれど、半分以上はこの強い「嫌い」の感覚があります。
こういう感覚、アフリカとつきあいの長いひとにはわかるかもしれない。

一筋縄で大好きと言えない感情。憎しみ。愛情。「ホーム感」

ひととして、魂の深いところでかかわらざるを得ないってことなんだと思う。アフリカと関わるってことは。
決して美化する話ではなく、もっとドロドロとした濃い話です。

ウサギとカメ・・・。深いです。

cute-cuddly-toy-cartoon-costume



2018年7月21日町屋ムーブホールにて開催!Elisabeth & Amelia Presents
『シークレットガーデン・シアトリカル・ベリーダンス』

レバノンの詩人ジブラーンの詩の世界を、国内外のベリーダンサーがともにステージで表現します!
チケット発売開始はもうすぐ!!Facebookページをチェック!!

■ 
『ベリーダンサーのためのバレエ・エッセンス』
■ 『心と身体を温めるリラックス・ベリーダンス』
■オンラインショップ
 Rupurara Moon African Beads & Crafts
 



にほんブログ村 海外生活ブログ アフリカ情報へ にほんブログ村 演劇・ダンスブログ ベリーダンスへ