とても気持ちよさそうな写真の表紙。

平日は東京で仕事をしながら、週末は南房総の農村の家に帰り、農作業をしたり自然の中で暮らす筆者の生活について書かれたもの。

単に「大自然はすてき」というお話ではなく、この生活に至る背景や、一見大変そうなこの生活を何年も続けた中で筆者が感じたことが率直に書かれていて、とても心に響く本だった。

里山にあこがれて暮らし始めるものの、だんだんその地域に根差す問題や地域が抱える喜び、コミュニティの強いつながり、自然とともに生きることと都市で生きることの意味など、たくさんのことを考えていくプロセスが記録されている。

とてもわかりやすくて心に響く。


そしてライターさんだけあって、文章表現がなかなかすてき。


心に留まった部分はこんな感じ。


アイデンティティについて。

郷土のお土産、と言いますが、東京には郷の土も土の産物もない。(略)
その土地に由来するものを大事に思う気持ちの根底には、クリエイティビティの魅力とは違う、ある種の「受動の魅力」があると思います。
不器用なまでにいつもそこにあるアイデンティティは、定点で熟成が進み、確立されるものです。新陳代謝が激しくて移ろうやすい都市の中で、そのような価値を生み出すことは難しく、むしろ、都市の魅力は常に流動していることにある。郷土性を諦めるかわりに、世界中のイイトコドリをするというポジションに君臨していると言えます。



変化のプロセスについて。


……ところでこの暮らし、何が到達目標なのかは分かりません。
死ぬまで二地域居住すること?
野菜作りがうまくなること?
孫と農家の畳でごろごろすること?
あるいは移住すること?
そうとも言えるし、そんなんではねぇとも言いたくなる。
まるで子供が走って転んで痛くて泣いて、次からは考えて手加減し、それでも走る気持ちよさに突き動かされてまた走り、少しずつ早くなるのと同じように、大の大人が手さぐりで生き方や暮らし方を学びながら変化していくプロセスに身を置くこと。それを楽しむこと。



他者への不寛容について。
このくだりがいちばん心に響いた。


ゼロから縁をつくった土地に、愛着を持とうとすること。それは、その土地固有の文化や生活、自然環境などへの想像力を養うことでもあります。
二地域居住、他地域居住では、その想像力がディテールにまでおよび、他者への理解がより進みます。

ややもすると、この激動の時代に世界のありようを把握することなど無謀に思え、正しさを見極めることにつかれ、自分の今いる場所だけが正しいんだと保身に走りそうになりますが、それは、裏を返せば他者への不寛容です。多様性の時代の不寛容は、多くの軋轢しか生みません。そのような方向性に進みそうな日本や世界を、わたしは心から懸念しています。

わたしたち一人ひとりが、今の生活をほんの少し、ずらしたり、組み替えてみる。そこで出会う小さな発見を楽しみながら生きる中でこそ、見えてくる風景があるはずです。



4478025053週末は田舎暮らし---ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記
馬場 未織
ダイヤモンド社 2014-02-28

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