まだ社会にお正月気分が抜けきらない中、ものすごいheavyな話で恐縮なのだが、先月インドでレイプされ殺害された23歳の女子学生のことについて、その衝撃が与えた社会的インパクトについて、ずっとずっと頭から離れない。
その直前にも、レイプ犯との結婚を強要された17歳の少女が自殺したのもインドだ。
度重なる性犯罪への罰則強化などを求める激しいデモがあったことは記憶に新しい。
インドでは性犯罪に関する報道には規制があったようだが、これはたぶんわが国でも似たようなものだと思う。
このようなむごい事件は、世界中で毎日のように起きているはずだ。
だが、いったいそのどれほどまでが、報道にあらわれるだろうか。
先日、藤沢 伸子氏著『アフリカの風に吹かれて』 について書いたが、性犯罪だけでなく、児童婚や、女性性器切除についてのむごくて生々しい事実は、なかなかメディアに現れることがない。
国際機関やNGOなどがキャンペーンを打ち、活発に活動しているものの、それらはどこか「遠い世界」のような話として捉えられがちなのかもしれない。
女性として生きることは、途上国であれ先進国であれ、語られていないはずの「語るべきこと」がたくさんあるし、そうやって語らないでいる間でも、毎日のようにむごいことは繰り返されている。
(注:わたしは「フェミニスト」ではありません。念のため)
16 Days of Activism against Gender-based Violenceという国際キャンペーンが毎年行われ、今年も11月末から12月にかけて行われていたが、それに関連してジンバブエでもいくつかの記事が見られた。
Zimbabwe: Let's Tackle GBV Outside the Home
この記事↑は、ジンバブエのセックスワーカーについて書かれている。
エイズで両親を亡くしたストリートチルドレンの少女が、路上での生活を確保するために食事や寝る場所の代償を体で払わされる。
やがて彼女らは、自分を売ることでしか生きられなくなる。
取り締まりに来た警察官からも、性的搾取の対象とされる。
ハラレでもセックスワーカーはたびたび見かけた。
彼女たちが客引きをしているのはこの場所が安全だからだよ、とあるひと(先進国男性)が言っていたけれど、わたしにはどこにも彼女たちの「安全な」場所なんてないとしか思えなかった。
そこにあるのは、リスクばかりだ。
男性にはそれが見えないのだろうか。
性的搾取、性犯罪の問題について、ジンバブエで追いかけていたとき、ものすごく根深い社会の問題に気づかされた。
ジンバブエでも、ときどきニュース記事になる。たいていが、親族間のレイプ事件だ。
そして被害者は子どもだ。
ハラレで、レイプ被害にあった子どもを保護する施設を見学したことがある。
医療機関に併設されていた。
保護対象は、0歳から19歳まで。
生後一か月の赤ん坊ですら、レイプ被害にあうことがあるそうだ。
子どもの場合、女性器は避け、下手すると内臓に重大な損傷を与える。
診察室で、生々しいカルテを見て、あまりの衝撃に言葉を失ったことを覚えている。
そこでは、何人かのレイプ被害少女にあった。
(注:もちろんレイプ被害は女子だけではない)
心を痛めて泣くばかりでは、きっと何の解決にもならないだろう。
たぶん、そのむごたらしい事実から逃げずに対峙し、行動していかなければ誰一人救われることはないのだ。
そしてこれは、「悲しい」「むごい」だけ繰り返していて「自分と関係がない」ふりをしていてはきっと意味がない。
プランという国際NGOが「Because I am a girl」というキャンペーンを実施している。
これについては長くなるので詳しくはサイトを見てほしい。↑↑↑
そのプランの日本支部プランジャパンが出した日本語訳の『わたしは女の子だから』を読んで、心にものすごく響くものがあった。
この本は、キャンペーンの報告書などと違い、7人の作家などが実際に途上国のプランの活動現場を視察するなどして書き上げたもので、とても特徴的だ。
つまり報告書の味気ない文章でもなく(ただ国際機関でもNarrativeとして書かれているものも多いがそれとはテイストがまったく違う)、作家が独自の視点でノンフィクションでもなくフィクションでもないリアリティを追求した文章。
とても説得力がある。
そして彼らは間違いなく、自分ができることとして筆を執った。
これを翻訳したのは、作家の角田光代氏だ。彼女もまた、自ら望んで行動を起こしたひとりだろう。
この本のなかでいちばん心にぐっと響いたのはアーヴィン・ウェルシュ氏の「送金」。
ぜひ、この本には多くのひとに向き合ってほしいと思う。
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その直前にも、レイプ犯との結婚を強要された17歳の少女が自殺したのもインドだ。
度重なる性犯罪への罰則強化などを求める激しいデモがあったことは記憶に新しい。
インドでは性犯罪に関する報道には規制があったようだが、これはたぶんわが国でも似たようなものだと思う。
このようなむごい事件は、世界中で毎日のように起きているはずだ。
だが、いったいそのどれほどまでが、報道にあらわれるだろうか。
先日、藤沢 伸子氏著『アフリカの風に吹かれて』 について書いたが、性犯罪だけでなく、児童婚や、女性性器切除についてのむごくて生々しい事実は、なかなかメディアに現れることがない。
国際機関やNGOなどがキャンペーンを打ち、活発に活動しているものの、それらはどこか「遠い世界」のような話として捉えられがちなのかもしれない。
女性として生きることは、途上国であれ先進国であれ、語られていないはずの「語るべきこと」がたくさんあるし、そうやって語らないでいる間でも、毎日のようにむごいことは繰り返されている。
(注:わたしは「フェミニスト」ではありません。念のため)
16 Days of Activism against Gender-based Violenceという国際キャンペーンが毎年行われ、今年も11月末から12月にかけて行われていたが、それに関連してジンバブエでもいくつかの記事が見られた。
Zimbabwe: Let's Tackle GBV Outside the Home
この記事↑は、ジンバブエのセックスワーカーについて書かれている。
エイズで両親を亡くしたストリートチルドレンの少女が、路上での生活を確保するために食事や寝る場所の代償を体で払わされる。
やがて彼女らは、自分を売ることでしか生きられなくなる。
取り締まりに来た警察官からも、性的搾取の対象とされる。
ハラレでもセックスワーカーはたびたび見かけた。
彼女たちが客引きをしているのはこの場所が安全だからだよ、とあるひと(先進国男性)が言っていたけれど、わたしにはどこにも彼女たちの「安全な」場所なんてないとしか思えなかった。
そこにあるのは、リスクばかりだ。
男性にはそれが見えないのだろうか。
性的搾取、性犯罪の問題について、ジンバブエで追いかけていたとき、ものすごく根深い社会の問題に気づかされた。
ジンバブエでも、ときどきニュース記事になる。たいていが、親族間のレイプ事件だ。
そして被害者は子どもだ。
ハラレで、レイプ被害にあった子どもを保護する施設を見学したことがある。
医療機関に併設されていた。
保護対象は、0歳から19歳まで。
生後一か月の赤ん坊ですら、レイプ被害にあうことがあるそうだ。
子どもの場合、女性器は避け、下手すると内臓に重大な損傷を与える。
診察室で、生々しいカルテを見て、あまりの衝撃に言葉を失ったことを覚えている。
そこでは、何人かのレイプ被害少女にあった。
(注:もちろんレイプ被害は女子だけではない)
心を痛めて泣くばかりでは、きっと何の解決にもならないだろう。
たぶん、そのむごたらしい事実から逃げずに対峙し、行動していかなければ誰一人救われることはないのだ。
そしてこれは、「悲しい」「むごい」だけ繰り返していて「自分と関係がない」ふりをしていてはきっと意味がない。
プランという国際NGOが「Because I am a girl」というキャンペーンを実施している。
これについては長くなるので詳しくはサイトを見てほしい。↑↑↑
そのプランの日本支部プランジャパンが出した日本語訳の『わたしは女の子だから』を読んで、心にものすごく響くものがあった。
この本は、キャンペーンの報告書などと違い、7人の作家などが実際に途上国のプランの活動現場を視察するなどして書き上げたもので、とても特徴的だ。
つまり報告書の味気ない文章でもなく(ただ国際機関でもNarrativeとして書かれているものも多いがそれとはテイストがまったく違う)、作家が独自の視点でノンフィクションでもなくフィクションでもないリアリティを追求した文章。
とても説得力がある。
そして彼らは間違いなく、自分ができることとして筆を執った。
これを翻訳したのは、作家の角田光代氏だ。彼女もまた、自ら望んで行動を起こしたひとりだろう。
この本のなかでいちばん心にぐっと響いたのはアーヴィン・ウェルシュ氏の「送金」。
ぜひ、この本には多くのひとに向き合ってほしいと思う。
Because I am a Girl――わたしは女の子だから ジョアン・ハリス ティム・ブッチャー デボラ・モガー キャシー・レット グオ・シャオルー マリー・フィリップス アーヴィン・ウェルシュ 角田光代 英治出版 2012-11-20 by G-Tools |
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