この街には、早いものでもう三年半ほど住んでいるのだけれど、今夜は初めて銭湯というものに行ってみた。

今朝、住んでいる古いマンションの給湯器が壊れたようでお湯が出なかったので。
まぁ、実際、夜に帰宅したら管理会社が直したらしくお湯は出たんだけれど、直らなかったことにしといて、ネットで見つけた近所の銭湯へ。

千石の「おとめ湯」は、とても古い立派な建物。

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老舗らしくて、装飾がとてもうつくしい。

天井は高くて、古い木造建築独特の軋みと、微かにすえた臭いがした。

とても清潔にしているが、調度品も何もかもがとても年季の入ったもので、まさに昭和レトロ。
建物自体はもっとずっと古いだろう。

格子天井は高く、レトロなシャンデリアがついている。

中庭があって、大きな風呂にはもちろんペンキ絵。
何やら、すてきな池と橋と、鴨や緑が描かれていて、昔ながらのお店の広告なんかも掲げられている。

壁も天井も、年季が入っているけれど、とても温かみの感じられる明るい水色。

古くて愛されてきた建物はいつもとても好きで、わたしはうっとりしてしまう。

柱時計に、昔の「パーマ屋さん」みたいな大きなドライヤー(これにはびっくりした。パーマをかけるときのヘッドギアみたいなアレ)。



風呂上りの湯冷ましに、ちょっと腰かけて天井見ながらぼんやりしていたのだけれど、そしたら思い出した。

わたしの父方の田舎は徳島県の山奥で、とても古い造り酒屋だ。
いまではもう酒屋もずいぶん昔に閉じて、昔の家が残っているばかりなのだが、あの家の匂いと今日の銭湯の匂いはどこか似ていた。

古い建物の匂いだ。


子ども心にあの家は怖いなと思っていた。
でも、心の中に残っている。

いまは、父が管理をしていて売り先を探しているが、ずっと見つからない。

わたしもレトロなものが好きで、Rupurara Moonのお店を出すなら東京の下町の古い建物を手作り風に改装したいと考えているのだけれど、まさか、徳島の山奥じゃあなぁ・・・、なんて思ったりすることもある。

でもあの家が売れたら、きっととても淋しいんだろうな、とも思う。


祖父母とは、それほど仲良くした覚えはあんまりないんだけれど、小さいころに訪れたあの家のことはほんとうに心の底に、遠くて近い思い出として引っかかっている。



だから、初めて訪れた「おとめ湯」は、すごく心に染み入るような懐かしさだった。


そうかといって、どうするわけでもないのだけれど。


昔からあちこちに引っ越しながら育っていて、どこかへ根を下ろすということを知らない。
だから、「場所」というものに敏感なのだと思う。



徳島のY家の匂いと軋みを思い出して、しんみりとなった。


おとめ湯は、大好き。

また、行きたいと思う。

この街のこと、まだまだ何にもしらないようだ。

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ところで。


徳島のY家はこちらです。関心あります?

劇場の天井看板はこちら。Y酒店。



ん?床の間にじいちゃんが・・・!あれ、ひいじいちゃん??

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