cc3fa1ad.JPG南アフリカの新しい大統領が誕生し、ムガベ大統領やチャンギライ首相は就任式に出席していた。南アのニュース番組が何度も繰り返していた。

そのような中で、独立系新聞社のジャーナリストが逮捕されたとの記事。

Zimbabwe: Zim Independent Journalists Arrested

この二人には会ったことがある。

仕事で、インディペンデント紙の事務所を訪ねたときだ。アポ無しで行ったけど、にこやかに対応してくれたのを覚えている。
どのようなことになっているのかと想像すると、心が痛む。

インディペンデント紙は、いつも政府に対して批判的な態度をとる。この国の言論に対する緊張感は、とても高い。たくさんの法律に縛られている。ちょっとした集会ですら、警察の許可なしには開くことが出来ない。逮捕の理由を与えてしまう。

数々の新聞が潰れていったなかで、新しい新聞も発行されるなどのニュースはあったけれど、やっぱりこのような緊張感は変わらないのだ。


政府系のヘラルド紙は、与野党の統一政府が数々の「苦難」を乗り越えてひとつになろうとしているという印象をあたえるような記事を出し、独立系はその反対を書き続ける。


ムガベだけが悪いのだろうか。


何度も書いているけど、そうは思わない。

もちろん、ムガベやその政府の強引な政策は国を崩壊させ、経済も政治も、病院も学校も電気も水道も食料も土地も家も・・・多くの数え切れない国民を死なせ、その生活を脅かす結果となった。

だけど、それらすべてを「独裁」で片付けていては、問題は何も解決しないのだ。

なぜ、ムガベの言論はこうも強引なのか。
なぜ、このような政策を採るにいたったのか。その裏には、多くの動きが隠されている。

そして、独立の英雄ムガベのカリスマ性が守ってきたものは、個人としての権力ではないんだと思っている。それ以上に、何故この国がこのような歪んだ形で植民地を脱してからの「安定」を保ってきたのか。
その理由が、そこにはあるように思える。

国民が求めてきたものはなんだったのか。

ムガベは、個人として以上に、とてもとても大きなものを背負い、それらを恐るべき力でコントロールしてきた。

この国に、多くの死者を出すような血みどろの暴動が起きていないのは、そこに理由があるのではないか。


「独裁」と繰り返すたびに、ものごとの本質から遠ざかる。
この国は、英国の植民地だった。



なんてことを、思うのである。


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