『あふりかくじらの自由時間』「あふりかくじらノート」を読んでくださる方へ…
そろそろ、自分を「あふりかくじら」に戻さなくてはならないと思いますので、ここに書きます。このひと月のあいだ、考えた大切なことです。
先月14日、交通事故に遭いました。
ひと月近く経った今、身体のほうはずいぶん回復しつつありますので、どうぞあまり心配しないでください。いまでは、怪我のことは見た目ではほとんどわからなくなりました。
事故は夜でした。
ハラレ市内で車を運転していると、対向車が逆走してきて、わたしはそれを避けきれずに正面衝突をしました。衝突の衝撃で、わたしは顔面等にひどい怪我を負い救急車で運ばれました。
わたしのちいさなトヨタRAV4は前部が大破し、完全に修理不能となりました。
顔から出血しながら誰かに車から助け出され、地面に寝かされたときにちらりと見たわたしの車はひどくつぶれ、恐ろしい様子になっていました。
動けないわたしの代わりに車を引き取りに行ってくれたひとは、そのつぶれ具合を見て、わたしは死んだんじゃないかと思ったそうです。それでも、わたしの命は助かりました。
唇をひどく裂傷したのですぐに病院で縫合、左手をガラスで深く切ったので、たくさんささったガラス片を除去して5針ほど縫いました。レントゲン写真を撮ったら身体中あざと切り傷だらけのわりには骨は折れていませんでした。ひどく出血しましたが鼻の骨も大丈夫でした。
そのかわり、顔面は鼻の下の骨にひびが入り、歯は完全に位置がずれてしまっていました。翌日南アフリカに飛び、プレトリアの病院に入院、手術を受け、歯茎を固めこむような矯正ワイヤをとりつけました。南アでの療養は二週間程度でした。
胸部や鼻の痛みはまだ残り、左手の深い切り傷はまだ完全に癒えず、ワイヤ取り外し手術の必要も残っていて噛みあわせがまだ悪くはありますが、周囲の人々に支えられ、わたしはずいぶん回復をしました。
唇の機能はまだ元通りではありませんが、見た目は普通と変わりません。
命を落としてもおかしくなかったあの事故で、わたしは助かりました。
特別どの宗教の信者でもありませんが、それでもあれほどの体験をしたあとは、神様に心から感謝をおぼえました。
南アの病院に入院しているあいだ、身体的には命に別状はなかったのですが、事故の次の日に身体の痛みが増してくると、頭の中に何度も死の恐怖が自分を襲ってきました。
たまたま前の年、わたしの周囲には若くして亡くなった身近なひとが三人いました。六年前、交通事故で亡くなった友人もいました。
彼らとわたしを隔てていたものは、生と死というあまりにも大きな結果の違いですが、その狭間にあったものはほんとうに大きかったのか。それはほんの紙一重のちいさなものではなかったのか。
病院のベッドの上でたったひとりの夜中、そのような考えが何度も頭の中に浮かび、恐ろしくなりました。精神的なショックははかりしれず、わたしは今でも自分がとても不安定な精神状態にいるのを感じます。
身体の傷は治っていくでしょう。しかし、精神的な傷が完全に癒える日が来るのかどうか、いまのわたしにはわかりません。
それでも、わたしには命があり、大切な家族や周囲のひとたちがいます。そういうひとたちに支えられて生きている。
しかし、一方で他人の生を生きることはできず、また誰かがわたしの分まで生きるなんてできない。自分の生をたったひとりでほんとうの意味で孤独に生きていくのは、自分だけなのです。
生きているあいだ、わたしは書き続けるでしょう。
そして、どれだけたくさんのことを書きつづったとしても、決してそれに終わりはないでしょう。満足いくまで書き尽くすということはわたしの人生にはきっとない。
いつ死が訪れても、そのために準備ができているということはありえない。
わたしは書く人間です。
そしてそこには、永遠に書くべきことが存在するのです。
わたしを支えてくださる大切なひとたちに感謝します。ほんとうにありがとう。
ここに書いたことは、いま、この時点でわたしが心から思っていることです。
あふりかくじら
そろそろ、自分を「あふりかくじら」に戻さなくてはならないと思いますので、ここに書きます。このひと月のあいだ、考えた大切なことです。
先月14日、交通事故に遭いました。
ひと月近く経った今、身体のほうはずいぶん回復しつつありますので、どうぞあまり心配しないでください。いまでは、怪我のことは見た目ではほとんどわからなくなりました。
事故は夜でした。
ハラレ市内で車を運転していると、対向車が逆走してきて、わたしはそれを避けきれずに正面衝突をしました。衝突の衝撃で、わたしは顔面等にひどい怪我を負い救急車で運ばれました。
わたしのちいさなトヨタRAV4は前部が大破し、完全に修理不能となりました。
顔から出血しながら誰かに車から助け出され、地面に寝かされたときにちらりと見たわたしの車はひどくつぶれ、恐ろしい様子になっていました。
動けないわたしの代わりに車を引き取りに行ってくれたひとは、そのつぶれ具合を見て、わたしは死んだんじゃないかと思ったそうです。それでも、わたしの命は助かりました。
唇をひどく裂傷したのですぐに病院で縫合、左手をガラスで深く切ったので、たくさんささったガラス片を除去して5針ほど縫いました。レントゲン写真を撮ったら身体中あざと切り傷だらけのわりには骨は折れていませんでした。ひどく出血しましたが鼻の骨も大丈夫でした。
そのかわり、顔面は鼻の下の骨にひびが入り、歯は完全に位置がずれてしまっていました。翌日南アフリカに飛び、プレトリアの病院に入院、手術を受け、歯茎を固めこむような矯正ワイヤをとりつけました。南アでの療養は二週間程度でした。
胸部や鼻の痛みはまだ残り、左手の深い切り傷はまだ完全に癒えず、ワイヤ取り外し手術の必要も残っていて噛みあわせがまだ悪くはありますが、周囲の人々に支えられ、わたしはずいぶん回復をしました。
唇の機能はまだ元通りではありませんが、見た目は普通と変わりません。
命を落としてもおかしくなかったあの事故で、わたしは助かりました。
特別どの宗教の信者でもありませんが、それでもあれほどの体験をしたあとは、神様に心から感謝をおぼえました。
南アの病院に入院しているあいだ、身体的には命に別状はなかったのですが、事故の次の日に身体の痛みが増してくると、頭の中に何度も死の恐怖が自分を襲ってきました。
たまたま前の年、わたしの周囲には若くして亡くなった身近なひとが三人いました。六年前、交通事故で亡くなった友人もいました。
彼らとわたしを隔てていたものは、生と死というあまりにも大きな結果の違いですが、その狭間にあったものはほんとうに大きかったのか。それはほんの紙一重のちいさなものではなかったのか。
病院のベッドの上でたったひとりの夜中、そのような考えが何度も頭の中に浮かび、恐ろしくなりました。精神的なショックははかりしれず、わたしは今でも自分がとても不安定な精神状態にいるのを感じます。
身体の傷は治っていくでしょう。しかし、精神的な傷が完全に癒える日が来るのかどうか、いまのわたしにはわかりません。
それでも、わたしには命があり、大切な家族や周囲のひとたちがいます。そういうひとたちに支えられて生きている。
しかし、一方で他人の生を生きることはできず、また誰かがわたしの分まで生きるなんてできない。自分の生をたったひとりでほんとうの意味で孤独に生きていくのは、自分だけなのです。
生きているあいだ、わたしは書き続けるでしょう。
そして、どれだけたくさんのことを書きつづったとしても、決してそれに終わりはないでしょう。満足いくまで書き尽くすということはわたしの人生にはきっとない。
いつ死が訪れても、そのために準備ができているということはありえない。
わたしは書く人間です。
そしてそこには、永遠に書くべきことが存在するのです。
わたしを支えてくださる大切なひとたちに感謝します。ほんとうにありがとう。
ここに書いたことは、いま、この時点でわたしが心から思っていることです。
あふりかくじら
コメント
コメント一覧
助かってよかった。
でもまだ世の中があふりかくじらさんを
必要としていたのだと思います。
ショックはとても大きいと思いますが
早く元気になることを祈ります。
mixiでしか知らない私ですが、ジンバブエには何度か訪れ事情をある程度把握しているので、暫く日記の更新がなくなんだか気になってました。そして交通事故とは!!あちらの人は車数が少ないせいもあってもの凄いスピードで運転をしますよね。命が助かって本当によかったです。
ここで書かれているように、事故をきっかけに人生の意味や自分に課されたミッションなどより一層考え何かが変わる、変わったのかもしれませんね、、、。ジンバブエには引き続き残る予定ですか?車の運転は大丈夫ですか?暫く運転手を付けてもらったりの配慮を受けられればいいのですが、、、。少し高くてもより安全な車に乗って下さいね。ご家族もさぞ心配したことでしょうね、、、。
長い時間が必要だと思いますが、徐々にトラウマが癒される事を祈っています。
身体に鳥肌が立ってしまっていました。本当に本当に
助かって良かった… あふりかくじらさんの事なのに
涙が出そうになってしまいました。良かった、本当に
いのちが助かって、良かった。
身体に鳥肌が立ってしまっていました。本当に本当に
助かって良かった… あふりかくじらさんの事なのに
涙が出そうになってしまいました。良かった、本当に
いのちが助かって、良かった。
アフリカのことだから、電話線でも切れているのかしら、と思っていました。
事故に遭われたとのこと、驚き、そして生きていらっしゃることに
どこかの誰かに対してとても感謝しました。
わたしにはなにもできないけど、あふりかくじらさんのことを日本から思ってます。
いつもありがとう。
わたしのほうは、ずいぶん回復しつつあります。顔もぱっと見はなんでもないし、ずいぶん普通に振舞えます。
しかし精神的にはとても不安定な状態のままですし、そのことを軽く見ないようにしようと思います。
相手はあの大きなランドクルーザーでした。助かったのはほんとうに奇跡です。他にもじつはたくさんトラブルを抱えています。でも、とても長い時間がかかりますが、解決にむかっていくでしょう。
いろんなひとから温かいメールやお言葉を頂戴してどれほど支えられていることか。
わたしはジンバブエが好きですし、もっとここに長くいたい。そう思っています。
いつもほんとうにありがとう!
これからもどうぞよろしく。
怪我は大変だったけれど、命が助かって本当に良かったね!
とにかく落ち着くまでは安静にしていてくださいね。本当にお大事になさってください。
きよきよ@シエラレオネ
くじらは、皆さんのお気持ちに支えられまして、何とか元気です。色んなものから逃げず、向き合って。
ほんとうに、感謝します。
とっても驚きました。
具体的なところはよく分かりませんが、
あせらず着実に体調が回復される
ことを祈っています。
東京の片隅で、遠く離れた国にいる
あなたを想う人がいること、
どうか覚えていてくださいね。
うれしく思います。ありがとう。身体のほうはずいぶん良いです。見た目はあんまりわからないし、もう来月にはワイヤを外します。
わたしのことを心にかけてくださる方がいて、幸せだなと思います。
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