b900c61a.JPG少しハラレの都会を離れれば、ほんものの匂い立つ大地はそこにある。
熱い太陽の光にさらされ、乾き、そして埃っぽい地面と電気や水道のない家、それから古ぼけてガラスの割れたような商店が並ぶ。女達は大きな荷物を頭に載せ、背筋を伸ばして歩いている。男達は日が高いうちから酒浸り。

わたしは夢から醒めたようにアフリカにいた。
土曜日、ジンバブエ人の友人がわたしを街の外に連れ出してくれたことで、わたしはほんとうにそのような感覚を持った。

この都会は、どこの都会もそうであるように、どこかが歪んでいる。でも、30分やそこら車を走らせれば、すぐそこに真実が待っている。

いままで自分は何をやっていたのだろう。
きれいな家に住み、大きなオフィスを持ち、車を走らせ、ガソリン不足のところ誰よりも先にガソリンを入手している。
そして、レストランに行くことも出来る。インターネットもしている。

人間の大地とはいったいなんだろう。
犬養道子氏の著書を思い出しながら、アフリカがほんの少し見せた本当の横顔が、脳裏に焼き付いて離れない。これはごくふつうの生活。ほんとうに贅沢のない、ごくふつうの人間の生き様。

それだけの話。

でも、わたしはどんどんアフリカに還ってきている。
この国に近づいてきている。


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